★越後頸城郡国柄往来［越後往来］　　【作者】不明

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★越後頸城郡国柄往来［越後往来］
【判型】大本1冊。縦247粍。
【作者】不明。
【年代等】嘉永3年書。
【備考】分類「往来物」。本文末に「越後往来」と記すが、安政3年書『越後往来』（新潟県図蔵）とは全くの別内容で、それよりも年代が早い。越後国頸城郡の地誌などを扱った往来物だが、訴状を模して書かれている点で、新種の目安往来物と位置づけられ、社会科往来の一種と見なすこともできよう。本文は、「此度　将軍様御代替ニ附、国々為御巡見、村山仙人様、加藤佐市様、河田安左衛門様何も御朱印御証文御頂戴ニ而、当国村々御通行被遊候ニ付、国柄之様子為御歎差上候訴状之趣、当国頸城郡之儀、東南者高山、西北者海ニ而、年中不時之大風雨大荒度々之儀に御座候…」と訴状風の文章で書き始め、雪深い地で生産力が低迷するほか男女共に他の産業がないことや近年の困窮の実情を述べたうえで、年貢等の税負担や国内普請の労役等の軽減を訴え、また訴訟関係にも言及するなど社会生活上の用語や頸城郡の現状を紹介する。後半では同地の農作物を列挙するほか、近年「身体不如意」になる原因として大酒・博奕等による家職粗末・万事不始末の暮らし向きを指摘し、また、同地の諸職・諸身分にも触れた後、「上代尭舜、延喜天暦之御代再来仕哉と土民之快楽此時二候。然共、愚痴闇鈍之我々浮々と打暮候段、無勿体仕合ニ御座候。以上」と結ぶ。なお、末尾数丁に忠臣蔵で有名な赤穂事件の顛末を記す。
06地ｴﾁｺﾞｸﾋﾞｷｸﾞﾝｸﾆｶﾞﾗｵｳﾗｲ★【往来物】25　SE00677