★喜撰往来大全［喜撰往来］　　【作者】荒堀庄之助（14歳）書

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★喜撰往来大全［喜撰往来］
【判型】半紙本1冊。縦241粍。
【作者】荒堀庄之助（14歳）書。
【年代等】安政3年8月書。
【備考】分類「往来物」。製茶に関する現存唯一の往来物（お茶の歴史や茶道については既に『喫茶往来』や『本朝茶経』がある）。現存本は「夫茶のは痰・熱をさり、酒及び食物のどくをけし、人の神志（知覚と意識。人間の心の動き）さわやかにし、睡をさまし、目をあきらする良薬なり。古しえ栂尾明恵上人、茶の種を建仁寺の栄西禅師に乞い、宇治里植得て、或は、足利義満公、大内義弘に命じて植しめ給ふとも謂…」と起筆して、まず茶の効用と、栂尾における製茶（宇治茶）の起源に触れ、続いて「此地に生るゝ輩は、幼稚之時より専茶園の養にこゝろを用ひ、製方、売買等にとり扱文字を稽古すべし」として、製茶業に関する要語と知識を列挙した往来物。茶栽培（下準備、肥料等）から生葉の摘採、加工（蒸熱、乾燥、袋詰等）、保存法、茶の取引に必要な斤目や相場・通貨の単位、また、日雇いの摘み子に対する褒賞、製茶業に必要な諸帳簿等に関する要語と心得を記す。冒頭で栂尾村に着いて述べ、「此地に生るゝ輩は…」と述べているため、同地の製茶業者の子弟用に編まれたもので、筆者は14歳と明記されているため、家業を本格的に身につける時期の基礎知識として学習されたものであろう。
07産ｷｾﾝｵｳﾗｲﾀｲｾﾞﾝ★【往来物】9　SE00804