★女筆春の錦（小野通）　　【作者】小野通（二世か）書

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★女筆春の錦（小野通）
【判型】大本1冊。縦268粍。
【作者】小野通（二世か）書。
【年代等】江戸中期（享保19年以前）刊。刊行者不明（［大阪］藤屋弥兵衛板か）。
【備考】分類「往来物」。袋綴じ展開収録。『女筆春の錦』は、江戸前期刊『女筆手ほん』の改編本の一つ。元禄4年刊『〈四季〉女文章』の解題・改編本で、享保19年刊『町方書札集』の広告（藤屋弥兵衛板行書目）中に本書の名が見えるため、刊行はそれ以前と思われる。『〈四季〉女文章』に一部増補して収録順序を大幅に改めたもの。先行書数本の版木を組み合わせた可能性もある。収録書状全23通の書き方や字配り等はまちまちで、冒頭に各種新年状を6通も掲げ、続けて御門跡ご出立の祝儀状、『源氏物語』借用状、貴人への挨拶状（披露文）、菊重ねの節句祝儀状、通天の紅葉見物誘引状、贈り物礼状、安産祝儀状、その他諸用件の手紙や歳暮祝儀状などを収録する。巻末には、恋を主題とした和歌4首を載せるが、その書き方は所々文字の左右または上下を逆転させ、しかも一筋の布が風になびくかのような連綿体で綴る見事な筆遣いであり、能書家小野通の面目躍如たるものがある。なお、本書とほぼ同内容の手本に江戸中期刊『女筆文章（仮称）』や宝暦頃刊『〈女筆文章〉大和にしき』がある。
11女ﾆｮﾋﾂﾊﾙﾉﾆｼｷ（小野通）★【往来物】44　SE01341