〈天保刻成〉京都順覧記（全3巻合本）

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〈天保刻成〉京都順覧記（全3巻合本）
【判型】横本3巻合1冊。縦128粍。
【作者】池田東籬亭（源正韶ﾏｻﾂｸﾞ、悠・鳳卿ﾎｳｹｲ・菊人ｷｸﾋﾄ）編。中村有楽（中邑長秀・有楽斎）画。
【年代等】天保2年7月刊。［京都］竹原好兵衛（文叢堂）板。
【備考】分類「地誌」。『京都順覧記』は、京都府内を散策する人のためにテーマ別に編纂した京都の総合的な名所案内。神社仏閣・名所旧跡に止まらず、公家や大名の屋敷地も明らかにしており、幅広い階層で仕えるようになっている。巻末の広告文には「此書は初に内裏御図、次に御堂上方御所御家領、諸大名方、京御屋敷、并、用達衆所付、次に都名所続き絵并名所案内記、但し、神社仏閣由来縁起をくはしくなし、方角順路に道法を記し、次に諸順拝を記し、奧に洛中洛外町々の小名并六町組、上下京組々を記したれば、都人はもとより、京都御町々に一部づゝ所持なし給はゞ、万事に有益調法の書也」と紹介する。各巻の内訳は、脇題簽に従えば、1巻「内裏御図・御堂上方御所附・御大名方京御屋鋪附・京都旅篭屋名前」、2巻「京都名所図・同順路案内記・諸順拝記」、3巻「京町縦横小路通号・洛中町々小名并組名付・洛外町々小名并組名付・諸地図子小路并組名付・諸御境内町々小名」。また、谷崎友紀「近世京都における旅人の観光行動」（『立命館地理学』第26号、2014年）によると、この案内記では、6日間の日割コースが組まれている。御所から開始する1日目は、洛中の名所を網羅的に掲載する。2日目は三条大橋周辺から始まり、詩仙堂などの洛外北東部から清水寺周辺まで。3日目は四条大橋周辺から始まり、東山の南部から伏見・宇治までが。4日目は近江・鞍馬・貴船と上賀茂・下鴨神社。5日目は広隆寺から始まって主に嵯峨の名所と、仁和寺周辺。そして、6日目は、梅宮大社から始まり向日や山崎など南西の遠方に位置する名所を載せる。SE02575